花札渡世

過去の上映作品

本年2月13日に亡くなった、上田市出身者としては初の映画監督で名脚本家・成澤昌茂の追悼上映企画です。監督が残した5本の長編映画の中から、現在上映可能な全3作品を全作フィルム上映します。

[上映日程]5/1~7(休映:5/6)

“ 女の指を落とそうか 爺の腕を曲げようか ”

首一つ賭けて坐った鉄火場で
仁義無作法いかさま花札

[解説]
主演の梅宮辰夫が自身の「代表作」だと語る異色の任侠映画。監督・脚本は成澤昌茂。撮影は「残侠あばれ肌」の飯村雅彦。

[あらすじ]
昭和初期。四谷の春日井達造一家に身を預けている北川竜一は、花札博奕を専門にしていた。竜一の美貌に多くの女が言い寄ってきたが、達造の養女久江も養父と不倫な関係を持ちながら、竜一を想っていた。勿論、達造はそれに気づくと面白くなかった。しかし、竜一の心には、かつて何度も賭場で会った梅子の姿が宿っている。彼女はいつもいかさまの名人で素めくらの石を伴って賭場に現われていた。たまたま、達造は弟分の五六が出所してきた時、石の腕に目をつけ客分に迎えたのだが、そのため竜一と梅子は親しく口をきくようになった。しかし梅子の身を狙う好色な達造は、竜一に命じて石と勝負させた。竜一が花札に勝てば梅子の身体を貰うというのだが、竜一は石に負けてしまった。そのため、達造は石を殺し、竜一をも斬ろうとした。竜一は達造を逆に殺し、梅子のいるホテルに逃げた。そしてその日、二人ははじめて愛を交したのだった。翌日、竜一は出所したら夫婦になるという約束をして梅子と別れ、自首して出た。しかし、五年後、出所した竜一の前から梅子は姿を消していた。探してみると、梅子はある大きな店の若奥様になっていたのだ。竜一は梅子の幸せを台なしにするようなことは出来ない。彼にはもはや何の望みもなくなった。そんな竜一を達造の仇と狙う五六たらが取り囲んだ時、竜一はメチャメチャにドスを振り回した。そして、気がついたときはみんな死んでいた。しかし、竜一の背後には警官隊がひたひたと押し寄せていたのである。

『花札渡世』
[1967年/日本/モノクロ/シネスコ/92分]
監督・脚本:成澤昌茂
企画:園田実彦、矢部恒
撮影:飯村雅彦
照明:桑名史郎
音楽:渡辺岳夫
出演:梅宮辰夫、鰐淵晴子、伴淳三郎、遠藤辰雄、小林千登勢
製作:東映東京
配給:東映
©️東映

◎[鑑賞料金]
特別鑑賞料金(一般)¥1,500/(シニア)¥1,200/(大学生)¥1,000/(高校生以下)¥500/映劇会員一律¥1,000(年パス不可) 
*回数券、福利厚生券、招待券、MTAチケット及び一切の割引サービスが利用できません。

成澤昌茂(なるさわまさしげ)
1925年生まれ。長野県上田市出身。1941年、溝口健二の内弟子となる。1944年、日本大学芸術学部卒業。1947年、脚本家として出発。溝口健二監督「赤線地帯」(1956年)などの脚本を執筆。1958年、松竹会長大谷竹次郎の知遇を得て舞台劇に転出。1962年、「裸体」で映画監督に転出。「四畳半物語 娼婦しの」(1966年)「花札渡世」(1967年)、「妾二十一人 ど助平一代」(1969年)、「雪夫人繪圖」(1975年公開)を監督。1977年以降、舞台劇の演出、脚本に専念。2021年2月13日、老衰のため死去。

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