わたしたち *「週末こども映画館」(GW特別選定作品)/第11回「うえだ子どもシネマクラブ」上映作品

過去の上映作品
[上映日程]4/17~5/7(休映:4/19、26、5/6)

“ 友だちになれる、何度でも。”

“いじめ”という目に見えない悪魔に、少女たちはどう向きあうのか──。
名匠イ・チャンドンが認めた若き女性監督が描く“なかよし”二人の成長の物語

[解説]
人生で初めて経験する友情、裏切り、嫉妬、すべての感情に戸惑い葛藤する子どもたちの姿を生き生きと鮮烈に映し出す『わたしたち』。『オアシス』『シークレット・サンシャイン』の名匠イ・チャンドン監督が見出した新鋭ユン・ガウン監督が自身の経験を元に描いた本作は、誰しもが通り過ぎてきた子どもたちの世界を通して、いじめやスクールカースト、家庭環境の格差など、現代が抱える社会問題を盛り込みながら、他者との繋がりの中で生きる「わたしたち」の関係について問いかける。第66回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門ノミネートを皮切りに数々の国際映画祭に招請され、「世界中の人々が出会うべき傑作(ズリーン国際映画祭)」と国籍世代を問わず多くの絶賛と共感を得ている。日本でも第17回東京フィルメックスの観客賞などトリプル受賞の快挙を成し遂げた。

子どもたちの表情と言葉を追うだけで濃密でドラマチックな展開を見せる、比類なき傑作。
『わたしたち』で長編デビューを飾る1982年生まれのユン・ガウン監督は、2011年、『Guest』で父親の浮気相手の家を探し出す女子高生の一日を生き生きとしたタッチで作り上げ、クレルモン=フェラン映画祭グランプリなどその年の短編映画界を席巻。2013年、『Sprout』で7歳の少女の初めてのお買い物冒険譚を描き、第64回ベルリン国際映画祭クリスタル・ベア賞や第31回釜山国際短編映画祭観客賞を受賞し、本作で二作連続ベルリン国際映画祭の公式招待を受けるなど、世界から期待を寄せられる韓国映画界の新鋭。イ・チャンドン監督が企画者としてシナリオ開発から共に携わり、韓国芸術学校映像院の教え子であるユン監督と「真実の話の中の、本当の瞬間」を求めて絶えず話しあってシナリオを完成させた本作では、ユン監督が常に注目してきた子供たちの世界を独自の視点で捉え続けたその比類なき才能をいかんなく発揮している。主人公ふたりの少女を演じたチェ・スインとソル・ヘインは、3か月にわたり実施された100人以上の子役オーディションの中から選ばれた。撮影当時11~12歳で共に映画出演は初めて。ユン監督は、彼女たちの表情をつぶさに捉えるために近距離での撮影を選択し、台本を渡さず場面ごとの状況説明や話しあいを重ねて撮影を行うスタイルで、等身大の繊細な心の揺れまで丁寧に描いている。

[あらすじ]
夏休み、わたしたちは親友だった──。小学校に通う10歳の少女ソンは、いつもひとりぼっち。一人教室に残っていた終業式の日に、転校生のジアと出会う。ソンとジアは毎日のように顔をあわせ、お互いの家を訪ねるうちに、友情を築いてゆく。だが、新学期になると、ジアはソンを仲間外れにするボラと親しくなり、ソンに冷たくあたるようになる。また、共働きの両親を持つソンと、裕福だがある問題を抱えるジアの、互いの家庭環境の違いも二人の友情に小さな暗い影を落とす。そんなある日、ソンは勇気を振り絞ってジアとの関係を回復しようとするが、些細なことからジアの秘密をばらしてしまう──。

【ユン・ガウン監督の言葉】
子供の頃、大好きだった友だちに裏切られて辛い時期があった。傷つき寂しさ、怒り、悲しみの後にまた仲良くできるように、何とかして真意を伝えようとしたが、お互いを傷つけるだけで終わってしまった。歳を重ねてもあまり変わりはしなかった。出会いの数ほど様々な関係が気まずく同じ失敗を繰り返した。そしてほとんどの大人がそうするように、私も努力することをやめてしまった。だが傷跡や痛みはひどくなった。私はぶつかって転んで倒れ、傷ついても一歩ずつ踏み出そうとしていた幼い頃の自分を否定する卑怯な大人になってしまっていた。誰にも真意を伝えられない優しくない大人に。この映画は、無気力と自己放棄の陰に隠れる今の私のような大人、そして傷ついて心痛めながらも勇気を振り絞って前に踏み出した過去の私のような子供たちへの、慰めと励ましの手紙。わたしたちは多様で複雑な理由で愛する人を傷つけ、愛する人に傷つけられる。それでも、わたしたちは本当の気持ちを伝えることを諦めてはならない。前を向いて生きるためにわたしたちは何度も愛さねばならない。
監督 ユン・ガウン

『わたしたち』
[2015年/韓国/1.85:1/94分]
監督・脚本:ユン・ガウン
製作:チョン・テソン
企画:イ・チャンドン
プロデューサー:キム・スンモ
撮影:ミン・ジュンウォン、キム・ジヒョン
出演:チェ・スイン、ソル・へイン、イ・ソヨン、カン・ミンジュン、チャン・ヘジン
英題:The World of Us(原題:U-ri-deul)
日本語字幕:根本理恵
提供:マンシーズエンターテインメント
配給:マジックアワー、マンシーズエンターテインメント
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“世界中の人々が出会うべき傑作” ズリーン国際映画祭
“心を鷲掴み!子役の天性の才能” スクリーンデイリー
“人間関係の探求” ツイッチフィルム
“興味深いクローズアップと価値のある静かな瞬間” ベルリン・ヒンメル
“感傷的なドラマ 強烈な真実” ムーブ・フィルム・フェスティバル
“感動的で事実的な作品” トロント国際児童映画祭
“強烈で素晴らしい” ウディネ極東映画祭

◎公式サイト:watashitachi-movie.com

◎鑑賞料金:(一般)¥1,300/その他通常通り *年パス利用可

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