異端の鳥 *第 1回オープンダイアローグ選定作品
[上映日程]2/6~19(休映:2/8、15)
*2月11日(木・祝)13時20分からの上映後に座談会を開催します。
詳しくは→ uedaeigeki.com/news/7031
“ 僕は、生きて、家に帰る ”
発禁の書、半世紀を経て奇跡の映画化!戦争とホロコーストの本質に迫る傑作!
[解説]
昨年のヴェネツィア国際映画祭において、『ジョーカー』以上に話題を集めた作品が『異端の鳥』だ。第二次大戦中、ナチスのホロコーストから逃れるために、たった一人で田舎に疎開した少年が差別と迫害に抗い、想像を絶する大自然と格闘しながら強く生き抜く姿と、異物である少年を徹底的に攻撃する“普通の人々”を赤裸々に描いた本作は、ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映されると、少年の置かれた過酷な状況が賛否を呼び、途中退場者が続出。しかし、同時に10分間のスタンディングオベーションを受け、ユニセフ賞を受賞し、同映画祭屈指の話題作となった。本作はその後も多くの批評家から絶賛を浴び、アカデミー賞®国際長編映画賞のチェコ代表にも選ばれ、本選でもショートリスト9本に選出。第32回東京国際映画祭においても「ワールド・フォーカス」部門で上映され、高い評価を得た。原作は自身もホロコーストの生き残りである、ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した代表作「ペインティッド・バード(初版邦題:異端の鳥)」。ポーランドでは発禁書となり、作家自身も後に謎の自殺を遂げた“いわくつきの傑作”を映画化するために、チェコ出身のヴァーツラフ・マルホウル監督は3年をかけて17のバージョンのシナリオを用意。資金調達に4年をかけ、さらに主演のペトル・コトラールが自然に成長していく様を描く為、撮影に2年を費やし、最終的に計11年もの歳月をかけて映像化した。撮影監督を務めたウラジミール・スムットニーは、『コーリャ 愛のプラハ』でアカデミー賞®国際長編映画賞を受賞し、チェコのアカデミー賞であるチェコ・ライオン賞最優秀映画賞を7度も受賞しているチェコ映画界の巨匠である。舞台となる国や場所を特定されないように使用される言語は、人工言語「スラヴィック・エスペラント語」を採用。シネスコ、モノクロームの圧倒的な映像美で描かれる約3時間の物語は、映画的な驚異と奇跡に満ちている。迫害を生き抜くうちに徐々に心を失っていく少年を体当たりで演じ切ったのは、新人のペトル・コトラール。他にもステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアーなどのいぶし銀の名優たちが顔を揃えている。人はなぜ異質な存在を排除しようとするのか? ホロコーストの源流を辿り戦争と人間の本性に迫る、美しくも残酷な衝撃作は、観る者の心を激しく揺さぶり問いかけてくる。
[あらすじ]
東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である一人暮らしの老婆が病死した上に火事で家が消失したことで、身寄りをなくし一人で旅に出ることになってしまう。行く先々で彼を異物とみなす周囲の人間たちの酷い仕打ちに遭いながらも、彼はなんとか生き延びようと必死でもがき続ける──。
『異端の鳥』
[2018年/チェコ・スロヴァキア・ウクライナ/スラヴィック・エスペラント語、ドイツ語ほか/シネスコ/169分]R15
監督・脚本:ヴァーツラフ・マルホウル
原作:イェジー・コシンスキ「ペインティッド・バード」
出演:ペトル・コトラール、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアー
原題:The Painted Bird
字幕翻訳:岩辺いずみ
配給:トランスフォーマー
原作:「ペインティッド・バード」(松籟社・刊)
後援:チェコ共和国大使館
日本・チェコ交流100周年記念作品
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