ゲバルトの杜 ~彼は早稲田で死んだ~

過去の上映作品
[上映日程]6/21~27(休映:6/24)
*6月23日(日) 15時の回の上映後、本作の代島治彦 監督と、今春、つかこうへいの代表作「初級革命講座飛龍伝」を制作された犀の角・代表の荒井洋文さんによるアフタートークを実施致します

“ 全て 革命のため。”

革命を志した若者たちはなぜ、殺しあったのか。

内田樹、池上彰、佐藤優と当事者たちが“あの時代”を語り、
鴻上尚史・演出の短編劇が炙り出す“内ゲバ”の不条理
死んでいった者たちと生き残った者たちの、悔恨と鎮魂を刻印するミクスチャー・ドキュメンタリー

[INTRODUCTION]
“内ゲバ”の死者は100人を超える。
約50年前の1972年11月8日、早稲田大学キャンパスで一人の若者が殺された。第一文学部二年生だった川口大三郎君。自治会を牛耳り、早大支配を狙う新左翼党派による凄惨なリンチが死因だった。学生運動終焉期にエスカレートした“内ゲバ”の嵐。その死者は100人を超える。理想に燃えた当時の若者たちが、革命という名の下に肯定していった「暴力の論理」を今、解き明かす──。

“内ゲバ”の真相に当事者の視点から切り込んだ書籍『彼は早稲田で死んだ』との出会いから本作の製作は始まった。著者の樋田毅をはじめ、現在は70代前後の当事者たちの証言が積み重ねられていく一方で、「内ゲバとは何だったのか?」という大きな疑問がひろがっていく。その疑問を現代に手繰り寄せるために、川口くん事件を再現する短編劇パートを創作。演出は、早大出身の劇作家・鴻上尚史、演じるのは現代の若者たち。
監督は、『三里塚に生きる』『三里塚のイカロス』『きみが死んだあとで』で、政治闘争が渦巻いた“あの時代”を描き続けてきた代島治彦。徐々に過去の歴史になりつつある時代の記憶と体験を、四たびドキュメンタリー映画に凝縮した。音楽は、代島監督作品には欠かせない大友良英が担当。激情と悔恨が織り混ざった楽曲が、本作全体を覆う暴力と無力感、そして相反する鎮魂のイメージを奏でる。“内ゲバ”を巡る不条理と、“あの時代”の熱量と悔恨を、立体的な手法で刻印したミクスチャーなドキュメンタリー映画がここに誕生した。

*内ゲバ=内部ゲバルトの略。ゲバルトはドイツ語で「暴力」を意味する。一般的には日本の学生運動や新左翼党派間での暴力を行使した党派闘争を指す。

◆原案本
『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』(著:樋田毅/文藝春秋)
不条理な暴力に私たちはどう抗えるのか。連合赤軍リンチ殺人事件が世の中を震撼させた1972年の秋、キャンパスで起きた川口君虐殺事件を機に蜂起した一般学生による自由獲得への闘い、そしてその敗北。内ゲバの時代の真相に迫る渾身のルポ。
第53回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

『ゲバルトの杜 ~彼は早稲田で死んだ~』
[2024年/日本/134分]
監督・企画・編集:代島治彦
撮影:加藤孝信
プロデューサー:沢辺均
音楽:大友良英
劇パート 脚本・演出:鴻上尚史
劇パート 出演:望月歩、遠藤琴和、ほか
出演:池上彰、佐藤優、内田樹、樋田毅、青木日照、二葉幸三、藤野豊、永嶋秀一郎、林勝昭、岩間輝生、吉岡由美子、大橋正明、臼田謙一、野崎泰志、岡本厚、冨樫一紀、石田英敬
配給:ノンデライコ
©︎「ゲバルトの杜」製作委員会(ポット出版+スコブル工房)

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