[INTRODUCTION]
イタリアに住む高校生のジャコモ・マッツァリオールが、2015年3月21日「世界ダウン症の日」に合わせて、ダウン症の弟ジョーを主人公に据えて一緒に撮影した5分のショートムービー『ザ・シンプル・インタビュー』をYouTubeに公開するや、瞬く間にイタリア国内外で反響を呼び、主要各紙が取り上げるなど大きな話題となった。それが大手出版社の目に留まり、ジャコモが弟との物語を執筆。2016年に出版された小説『弟は僕のヒーロー(原 題:Mio fratello rincorre i dinosauri)』は、ヨーロッパ各国で翻訳出版され、スペインのエル・パイス紙は2017年最も興味深い児童書に選出した。日本でも装画を絵本作家ヨシタケシンスケが担当した邦訳版が刊行されるなど、現在までに25万部を超えるベストセラーになっている。本作はそんな大人気書籍の待望の映画化作品だ。
主人公のジャックに扮するのは、今後の活躍が最も期待されるイタリアの若手俳優のひとり、フランチェスコ・ゲギ(『僕らをつなぐもの』)。そしてピュアな心を持ち続ける愛に溢れた弟・ジョー役には、実際にダウン症のあるロレンツォ・シスト。さらに『盗まれたカラヴァッジョ』『泣いたり笑ったり』など、イタリアを代表する人気俳優アレッサンドロ・ガスマン、ペドロ・アルモドバル監督作品常連のロッシ・デ・パルマなど豪華キャストが集結し、ダウン症の子を持つ家族の葛藤や奮闘、喜びや困難もリアルに捉え、その中でも決して揺らがない家族愛を、ユーモアをたたえながら描き出した。第76回ヴェネツィア国際映画祭<ヴェニス・デイズ>部門にて上映され、「イタリア版『ワンダー 君は太陽』」と話題を呼んだ、イタリア国内外で旋風を巻き起こしたこの冬一番のハートウォーミングストーリー!