ペトラ・フォン・カントの苦い涙

過去の上映作品
[上映日程]11/25、28、12/1、2、6

女性同士の愛を描いたメロドラマの傑作、劇場初公開!

異能の人ファスビンダーが、愛の孤独と絶望の中で葛藤する女性たちを描いた闘争劇。
まるでベルイマン作品を思わせるような、巧緻な作劇と計算されたキャメラワーク。
愛の不可能を重厚なドラマとして結晶させた傑作中の傑作!

[INTRODUCTION]
ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ライナー・ベルナー・ファスビンダーが1972年に手がけた、女性同士の愛を描いたメロドラマ。これまでの素人俳優による集団創作から離れ、メロドラマへの新境地を開き、自身で書き上げた戯曲を映画化、濃密なる愛のドラマを生み出した。映画は終始、主人公ペトラのアパルトマンの一室で展開される。その演劇的空間と映画的構図、衣装や絵画による色彩効果、印象的な音楽の挿入など、実験的な演出が取り入れられ、多作なファスビンダー監督の中でも最も完成度の高い作品となった。1972年のドイツ映画賞で主演女優賞、助演女優賞、撮影賞を受賞。ペトラ役はマルギット・カルステン、カーリン役は後に『マリア・ブラウンの結婚』でベルリン国際映画祭の女優賞、『ピエラ 愛の遍歴』でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞するハンナ・ジグラ。支配するものと支配されるものとの愛の残酷が、レンズを通して、見るものに突き刺さる。異能の人ファスビンダーの傑作中の傑作!2022年には、ファスビンダーを敬愛するフランスのフランソワ・オゾン監督が、本作を翻案して描いた『苦い涙』を発表。

[STORY]
ファッションデザイナーのペトラは、二度目の結婚に失敗して落ち込んでいた。助手のマレーネをしもべのように扱いながら、アトリエ兼アパルトマンの部屋で暮らしている。そこに、友人が若く美しい女性カーリンを連れてやってくる。彼女に惹かれて同棲をはじめるが…。

『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』
[1972年/西ドイツ/ドイツ語/124分]
監督・脚本・原作:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
出演:マーギット・カーステンゼン、ハンナ・シグラ、イルム・ヘルマンほか
原題:Die bitteren Tränen der Petra von Kant
配給:セテラ・インターナショナル
©Rainer Werner Fassbinder Foundation

◎1972年ドイツ映画賞主演女優賞/助演女優賞/撮影賞受賞

[上映時間]

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