ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選『天使の影』

過去の上映作品
[上映日程]11/26、30、12/3、5、8

“ 落ちる ”

ファスビンダーの戯曲を、スイスの名匠ダニエル・シュミットが映画化

[INTRODUCTION]
ふたりの男性の間で揺れ動く、ある娼婦の歪んだ愛。ファスビンダーの戯曲を映像化した『ヘカテ』のダニエル・シュミット監督作、待望の日本劇場初公開。

[STORY]
とある都会の片隅に立つ娼婦リリーは、その繊細な性格から仲間内では浮いた存在。家に帰ればヒモ男ラウールに金をせびられる日々。そんなある日リリーは闇社会の大物であるユダヤ人に見初められるが、次第に破滅願望が強くなっていく。反ユダヤ的とされ非難を浴びながらも、今なお世界中で繰り返し上演されるファスビンダーの戯曲「ゴミ、都市そして死」を、親友でもある『ラ・パロマ』(74)、『ヘカテ』(82)のシュミット監督が映画化。主演はファスビンダーと一時期結婚していたイングリット・カーフェン。露骨な台詞が散りばめられ、絶望に満ちた物語ながら、名キャメラマン、レナート・ベルタが描き出す退廃美に溢れた映像は限りなく素晴らしく、全編に夢のような心地がたゆたう。

『天使の影』
[1976年/スイス/カラー/101分]
監督:ダニエル・シュミット
脚本:ダニエル・シュミット、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
撮影:レナート・ベルタ
出演:イングリット・カーフェン、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、クラウス・レーヴィッチュ、アードリアン・ホーヴェン
© RAINER WERNER FASSBINDER FOUNDATION

[上映時間]

[公式サイト]
fassbinder-film-2023.jp

▶︎ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選
37年の短い生涯で、強烈な個性に貫かれた40本以上もの作品を手がけ、ヴェンダース、ヘルツォークらと並んで<ニュー・ジャーマン・シネマ>の代表格と称されたライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督。この度、ファスビンダー美学の極致とも言えるふたつの監督作、『不安は魂を食いつくす』『マリア・ブラウンの結婚』、そしてファスビンダーが原作・脚本・出演を務め、スイスの名匠ダニエル・シュミットが監督した『天使の影』の三作が劇場公開。生きるが故の矛盾や絶望、愛するが故の悲しみ、思わず目を背けたくなるほどの人々の剥き出しの姿をスキャンダラスに、時に露悪的なまでに描き切ったファスビンダー。しかしそこに宿る仄かな光まで捉えた彼の眼差しは、美しい劇薬となって画一的な“幸福”を求める我々の心に深い傷痕を刻むだろう。

主催:マーメイドフィルム
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
宣伝:VALERIA

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