ちひろさん *「うえだ子どもシネマクラブ」上映作品

過去の上映作品
[上映日程]4/22~5/12(休映:4/24、5/2、8)

“ さみしさも。よろこびも。心のままに生きていく。”

熱狂的支持を集める漫画『ちひろさん』が、ついに映画化!
きっと彼女に、会いたくなる———。

[INTRODUCTION]
月刊漫画誌『Eleganceイブ』(秋田書店刊)で2013年から2018年にわたって第一部が連載された傑作漫画『ちひろさん』を原作とした本作。元風俗嬢の主人公・ちひろが、とある海辺の町の小さなお弁当屋さんで働きながら、心に傷や悩みを抱えて上手く生きることができない人々と交流し、彼女の言葉や行動がそれぞれの生き方に影響を与えていく、心のままに生きることの大切さ、そして孤独と向き合うことの尊さを描き、心が浄化されるまさに現代に生きる私たちの処方箋となるような人間ドラマが誕生しました。原作漫画『ちひろさん』は、元風俗嬢のお弁当屋さん・ちひろの常識にとらわれない言動が女性を中心とした読者に強く支持され、著名人にもファンは多く、人気作家・島本理生(『ナラタージュ』等)がTBS「王様のブランチ」の中で“元気が出るおススメの本”として『ちひろさん』を紹介するなど、「完璧になんて、なろうとしなくていい」と優しく訴えかける、各方面から熱狂的な支持を得続けている人気漫画です。
主人公のちひろ役を務めるのは、今や国民的女優となった有村架純。優しさと厳しさの両方を併せ持ち、どこか陰があってひょうひょうとしているという、難しい役どころのちひろだが、有村は深みと軽やかさをまとって新境地を開拓している。脇を固める役者陣も多彩だ。弁当屋の主人の妻・多恵を演じる風吹ジュンや、風俗店の元店長役のリリー・フランキーといったベテラン陣から、若葉竜也、豊嶋花といった若手の注目俳優まで、個性的なメンバーが集まった。メガホンを取るのは、『愛がなんだ』(19)や『街の上で』(21)など立て続けにヒット作を生み出し、『窓辺にて』(22)の公開を迎えた今泉力哉。本作では、恋愛映画の旗手と言われている今泉が、純粋な恋愛とは距離を置く登場人物たちの人間模様を繊細に描き、新境地を見せる。
主題歌は今泉監督が愛するバンド・くるりが書き下ろし、岸田繁が全編の劇伴音楽を作曲した。くるりと岸田ならではの大胆かつ繊細に心に響くメロディーと言葉は、ちひろのキャラクターと作品の世界に美しく寄り添い、その魅力をより一層引き立てる。作品を彩るお弁当も欠かせない。『かもめ食堂』『南極料理人』『深夜食堂』など、日本映画を食で彩ってきた飯島奈美がフードスタイリストを務め、作品の中で重要なパートを担っている。どんなにつらいことがあっても、人はご飯を食べる。誰かと、またはひとりで。食べることは生きることであり、悲しみや孤独を癒やしてくれるのだと教えてくれる。まるで、ちひろの存在のように。

[STORY]
ちひろは、風俗嬢の仕事を辞めて、今は海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで働いている。元・風俗嬢であることを隠そうとせず、ひょうひょうと生きるちひろ。彼女は、自分のことを色目で見る若い男たちも、ホームレスのおじいさんも、子どもも動物も・・・誰に対しても分け隔てなく接する。そんなちひろの元に吸い寄せられるかのように集まる人々。彼らは皆、それぞれに孤独を抱えている。厳格な家族に息苦しさを覚え、学校の友達とも隔たりを感じる女子高生・オカジ。シングルマザーの元で、母親の愛情に飢える小学生・マコト。父親との確執を抱え続け、過去の父子関係に苦悩する青年・谷口。ちひろは、そんな彼らとご飯を食べ、言葉をかけ、それぞれがそれぞれの孤独と向き合い前に進んで行けるよう、時に優しく、時に強く、背中を押していく。そしてちひろ自身も、幼い頃の家族との関係から、孤独を抱えたまま生きている。母親の死、勤務していた風俗店の元店長・内海との再会、入院している弁当屋の店長の妻・多恵との交流・・・揺れ動く日々の中、この街での出会いを通して、ちひろもまた、自らの孤独と向き合い、少しずつ変わっていく。これは、軽やかに、心のままに生きるちひろと、ちひろと出会う人々──彼らの孤独と癒しの小さな物語。

『ちひろさん』
[2023年/日本/131分]PG12
出演:有村架純、豊嶋花、嶋田鉄太、van、若葉⻯也、佐久間由衣、⻑澤樹、市川実和子、鈴木慶一、根岸季衣、平田満、リリー・フランキー、風吹ジュン
原作:安田弘之『ちひろさん』(秋田書店「秋田レディース・コミックス・デラックス」刊)
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織、今泉力哉
音楽:岸田繁
主題歌:くるり「愛の太陽」(VICTOR ENTERTAINMENT/SPEEDSTAR RECORDS)
配給:アスミック・エース
©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014

[上映時間]

[公式サイト]
chihiro-san.asmik-ace.co.jp

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