標的

過去の上映作品

[上映日程]4/23~29(休映:4/25)
*初日の上映後、本作の主人公で元朝日新聞大阪社会部記者・植村隆氏による舞台挨拶を予定しています(コロナウイルスの影響により変更の可能性もあります)

“ 真実か。捏造か。”

「捏造記者」の汚名を晴らす闘いが始まる。

[INTRODUCTION]
監督を務めるのは、植村隆が「捏造記事」を書いたとされる1991年8月当時、RKB毎日放送のソウル特派員記者として、韓国で「挺身隊」と「慰安婦」が同義語として広く使われていた慰安婦報道を実際に目の当たりにしていた西嶋真司。国家にとって不都合な報道を行った個人やメディアを狙って過剰に繰り返される攻撃や脅迫が横行し、それに屈するかのように多くのメディアが沈黙し、萎縮している現状に強い危機感を覚え、本作の制作に乗り出した。
植村と彼を支える人々が理不尽なバッシングに真正面から立ち向かう姿を記録した本作は、2021年、優れたジャーナリズム活動に対して贈られる第64回日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)を受賞。その後、第26回釜山国際映画祭へ正式招待(ワイドアングル部門ドキュメンタリーショーケース)を果たした。特に韓国メディアから高い注目を集め、報道の自由に貢献したジャーナリアン・ジョンピルストに贈られる第33回安鍾柲自由言論賞を30年余りの歴史の中で日本人として初めて授与された。
ジャーナリストの役目は自由な言論空間の中で国民の知る権利に奉仕すること。ジャーナリストが萎縮し、国民に真実が伝わらなくなれば社会は衰退する──元RKB毎日放送ディレクターとして戦争や人権をテーマにテレビ番組を数多く制作し、朝鮮人強制連行や公害問題などに徹底した聞き取り調査で向き合い続けた記録作家の林えいだいを撮った『抗い 記録作家 林えいだい』(2016)で第23回平和・協同ジャーナリスト基金賞大賞を受賞した西嶋が、民主主義の根幹を揺るがすジャーナリズムの危機に迫った。

[STORY]
1991年8月、元「慰安婦」だった韓国人女性の証言を伝える記事を書いた朝日新聞大阪社会部記者(当時)の植村隆は、その中で彼女が女子挺身隊の名で戦場に連行され、日本軍人相手に性行為を強いられたという証言を報じた。日本政府は、「慰安婦」が強制的に戦地へ送られたことを裏付ける資料が発見されていないとして、慰安婦の募集に国家や軍部が関与したことを否定しているが、安倍晋三衆院議員が政権に復帰した後となる2014年以降、一部から「捏造記者」と彼への執拗なバッシングが始まった。植村を「売国奴」「国賊」「反日」などと非難する誹謗中傷は次第にエスカレートし、彼が教職に就くことが内定していた大学、そして家族までもが卑劣な脅迫に曝された。この韓国人女性が名乗り出た後、他のメディアも同じような記事を伝えた中、なぜ彼だけが「標的」にされたのか? 一方、不当な攻撃によって言論を封じ込めようとする動きに対抗するために、大勢の市民や弁護士、マスコミ関係者らが支援に立ち上がった。

『標的』
[2021年/日本/カラー/99分]
監督:西嶋真司
法律監修:武蔵小杉合同法律事務所・神原元、北海道合同法律事務所・小野寺信勝
監修:佐藤和雄
音楽:竹口美紀
演奏:Viento
歌:川原一紗
撮影:油谷良清、西嶋真司
プロデューサー:川井田博幸
配給:グループ現代
©ドキュメントアジア

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