オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集【6/6~】*特集上映

今後の上映作品
[上映日程]2025年6月6日(金)〜  *休映:

“ 真なる現実へ ”

ポルトガルが世界に誇る巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ。
没後10年となる2025年、その多彩な作品群から珠玉の5作品を一挙上映!
唯一無二の生涯を送った伝説的で魔術的な才能を発見/再発見する。

100歳を超えてもなお映画を作り続け、現役最高齢の監督として世界中で話題と尊敬を集めた、マノエル・ド・オリヴェイラ。「私はシネマトグラフの映画監督だ」「映画とは何か?それは幻影だ。」と語り、「シネマトグラフ」を発明したリュミエール兄弟や「映画の魔術師」ジョルジュ・メリエスなど最初期の映画との連なりを強く意識するオリヴェイラは、まさに映画史を体現する唯一無二の存在である。古典映画のような佇まいの中に、映画の未来を感じさせる瞬間の連続──。普遍性と先進性に溢れた5つの作品が、今、スクリーンに映し出される。

提供:キングレコード
配給・宣伝:プンクテ
協力:ポルトガル大使館 カモンイス言語国際協力機構

[上映作品]
『訪問、あるいは記憶、そして告白』
『カニバイシュ』
『絶望の日』
『アブラハム渓谷 完全版』
『夜顔』

[公式サイト]
oliveira2025.jp

[上映時間]
*準備中

作品紹介

『訪問、あるいは記憶、そして告白』Visita ou Memórias e Confissões
[1982年/ポルトガル/ポルトガル語/スタンダード/モノクロ/68分]
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 撮影監督:エルソ・ロケ 声:テレーザ・マドルーガ、ディオゴ・ドリア 台詞:アグスティーナ・ベッサ=ルイス 出演:マノエル・ド・オリヴェイラ、マリア・イザベル・ド・オリヴェイラ、ウルバノ・タヴァレス・ロドリゲス 

1942年に建てられて以来、およそ40年間オリヴェイラが暮らしたポルトの家を舞台に、家族、そして自らの人生を辿るドキュメンタリー作品。『アブラハム渓谷』の原作者でもあるポルトガル文学の巨匠アグスティーナ・ベッサ=ルイスがテキストを手がけている。自身の死後に発表するように言付けられ、2015年にポルト、リスボン、カンヌ国際映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された。

★国内劇場初公開

© Cineastas Associados, Instituto Portuges de Cinema

『カニバイシュ』Os Canibais 
[1988年/フランス・西ドイツ・イタリア・スイス/ポルトガル語/スタンダード/99分]
監督・脚色・台詞:マノエル・ド・オリヴェイラ 原作:アルヴァロ・カルバリャル 撮影:マリオ・バローゾ 音楽・オペラ台本:ジョアン・パエス 製作:パウロ・ブランコ 出演:ルイス・ミゲル・シントラ、レオノール・シルヴェイラ、ディオゴ・ドリア 

マルガリーダとアヴェレダ子爵の婚礼の夜。子爵は自らが人間でないことを告白する。それを聞いたマルガリーダは錯乱。厳粛な雰囲気に満ちた貴族たちの晩餐会は、驚愕の事態へと展開する。人間、動物、機械などあらゆる境界を超越し、奇想天外なユーモアが炸裂するオペラ・ブッファ(喜劇的なオペラ)映画の怪作。

© Filmargem, La Sept, Gemini Films

『絶望の日』O Dia do Desespero 
[1992年/ポルトガル・フランス/ポルトガル語/ヨーロッパ・ビスタ/77分]
監督・脚本・台詞:マノエル・ド・オリヴェイラ 撮影:マリオ・バローゾ 製作:パウロ・ブランコ 出演:テレーザ・マドルーガ、マリオ・バローゾ、ルイス・ミゲル・シントラ 

19世紀ポルトガル文学を代表する小説家カミーロ・カステロ・ブランコ。葛藤と苦悩の末、拳銃自殺を遂げるに至ったその最期の日々を、手紙や新聞記事、調書などに取材し、その生家を舞台に描く。音楽にワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」と「パルジファル」を使用。オリヴェイラ作品の中で最も厳格とも評される作品。

★国内劇場初公開

© Madragoa Films, Gemini Films

『アブラハム渓谷 完全版』Vale Abraão
[1993年/フランス・ポルトガル・スイス/ポルトガル語/ヨーロッパ・ビスタ/203分]
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 原作:アグスティーナ・ベッサ=ルイス 撮影:マリオ・バローゾ 製作:パウロ・ブランコ 出演:レオノール・シルヴェイラ、セシル・サンス・ド・アルバ、ルイス・ミゲル・シントラ 

フローベール「ボヴァリー夫人」をアグスティーナ・ベッサ=ルイスが翻案し、原作を執筆。言葉、映像、そして音楽それぞれが自律しながら精妙かつ鮮烈に調和する「文芸映画」の最高峰。男性的な世界/権力に詩的な想像力で抵抗する、主人公エマの苦悩。ディレクターズ・カット版とも言える、本来の姿でスクリーンに蘇るオリヴェイラ映画の記念碑的作品。

★国内劇場初公開

© Madragoa Filmes, Gemini Films, Light Night

『夜顔』Belle Toujours
[2006年/ポルトガル・フランス/フランス語/ヨーロッパ・ビスタ/69分]
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 撮影:サビーヌ・ランスラン 製作:ミゲル・カディリェ 出演:ミシェル・ピコリ、ビュル・オジエ、リカルド・トレパ、レオノール・バルダック 

ルイス・ブニュエル監督作『昼顔』(1967)の登場人物たちの38年後を描く。パリで偶然再会したアンリとセヴリーヌ。アンリは真実を打ち明けるという口実でセヴリーヌを食事に誘う…。過去をめぐり立ち上がる、欲望に満ちた謎。ミシェル・ピコリが再び「アンリ」役で登場。カトリーヌ・ドヌーヴが演じた「セヴリーヌ」にはビュル・オジエが扮する。

© Filbox Produções, Les Films d’ici

マノエル・ド・オリヴェイラ Manoel de Oliveira

1908年12月11日、ポルトガル北部の都市ポルト生まれ。1931年、サイレントの短編ドキュメンタリー映画『ドウロ河』を監督。その後、短編作品を制作。1942年には初の長編映画『アニキ・ボボ』を手がける。アントニオ・サラザール政権による独裁体制下で企画が成り立たず、家業に従事しながら短編を作る。1963年に長編第二作『春の劇』を監督するも、発言が問題視され投獄された。1974年に独裁政権が終わると、80年代以降は旺盛に作品を発表。ヨーロッパで注目を集める。1985年、超大作『繻子の靴』を出品したヴェネチア国際映画祭で特別金獅子生涯功労賞、1991年には『神曲』が同映画祭の審査員特別賞を受賞。『クレーヴの奥方』(99)でカンヌ国際映画祭審査員賞、同映画祭の名誉パルム・ドールを2008年に受賞している。2015年4月2日、106歳で死去。

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