春をかさねて/あなたの瞳に話せたら【3/7~】

今後の上映作品
[上映日程]3/7~(休映:)

新進気鋭の映画作家が見澄ます、時間の経過と、言葉にしがたい感情の動き。
全国各地の反響を経て、この2つの小さな映画が、満を持して劇場公開

1996年生まれの宮城県石巻市出身の映画作家・佐藤そのみは、幼少期から地元を舞台にした映画を撮りたいと志し、大学で映画を学んだ。2011年3月11日に起きた東日本大震災。そこから8年後の2019年に、石巻市大川地区で大学の友人や地元の知人らの協力を得て、『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』という2つの中編を撮影した。
大学休学中の自主制作とその後の卒業制作として発表されたこれらの作品は、配給・公開の予定もないまま、コロナ禍をはさんだ2022年からぽつぽつと上映会を実施。それまで被災者の一人として取材を受ける立場だった佐藤だが、「描かれるよりも、描きたかった」と自分のために撮った映画が、やがて各地で反響を呼ぶこととなった。
監督自身の体験を落とし込み、フィクションとドキュメンタリーの手法で描いた“その後の私たち”。それぞれの場所であの日からの日常を生き続ける人たちに、あるいはその後に生まれた世代の人たちに、ぜひ劇場のスクリーンで見つめてほしい。

[上映時間]
*準備中

[鑑賞料金]
一般 ¥1,600/その他通常通り

[公式サイト]
haruanata.com

配給:半円フィルムズ

作品紹介

『春をかさねて』
[2019年/日本/カラー/45分]G
製作・監督・脚本・編集:佐藤そのみ
撮影:織田知樹、李秋実
録音:養田司、中津愛、工藤忠三
出演:齋藤小枝、齋藤桂花、齋藤由佳里、芝原弘、秋山大地、安田弥央、幹miki、鈴木典行
©SonomiSato

“ 私たちは幸せになれる? ”
「妹さんの安否を知ったときのこと、教えていただけますか」。14歳の祐未は、被災地を訪れるたくさんのマスコミからの取材に気丈に応じている。一方で、同じく妹を亡くした幼馴染・れいは、東京からやってきたボランティアの大学生へ恋心を抱き、メイクを始めた。ある放課後、祐未はそんな彼女への嫌悪感を吐露してしまう。二人の女子中学生の繊細な心の揺れを瑞々しく描き出すフィクション。震災遺構として現在は立入禁止となっている大川小学校などで撮影された。

『あなたの瞳に話せたら』
[2019年/日本/カラー/29分]G
監督・撮影・録音・編集:佐藤そのみ
©SonomiSato

“ いまはもう会えないあなたに語りかける、3つの手紙 ”
東日本大震災による津波で児童74名・教職員10名が犠牲になった石巻市立大川小学校。大川小で友人や家族を亡くした当時の子どもたちは、あれから何を感じ、どのように生きてきたのか。それぞれが故人に宛てた手紙を織り交ぜながら、自身も遺族である「私」がカメラを持って向き合う。震災から8年半、時間が変えたものと変わらないもの。書簡形式のナレーションで素朴に語られる言葉に宿る、やわらかな感性に胸を打たれる。

◆日本大学芸術学部映画学科2019年度卒業制作
◆東京ドキュメンタリー映画祭2020 短編部門「準グランプリ」「観客賞」受賞作
◆イメージフォーラム・フェスティバル2020「ヤング・パースペクティヴ2020」入選作

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