太陽と踊らせて

過去の上映作品
[上映日程]8/14~27(休映:8/16、23)

“ 踊ってる時はみんな恋に落ちている・・・ ”

自由の島イビサの吟遊詩人DJジョン・サ・トリンサ
ひとりひとりの人生を祝福するように
今日も音を紡いでいく
いつもの時間 いつもの場所で
水平線を眺めながら

[解説]
スペインの東、地中海に浮かぶ世界遺産イビサ島は、世界一の名だたるパーティアイランド。夏場はヨーロッパの有名ナイトクラブが店を開け、世界中からスターDJが集まる。しかし、英国から移住したDJジョン・サ・トリンサは、島の最南端サリナスビーチで25年間、パーティサウンドとは異なる音楽を紡いでいる。それが、ジャンルにこだわらず物語にあふれたバレアリック・ミュージック。あまりにも自由で垣根のない生き方をする彼の精神そのもの。DJなのに早寝早起きで、何千人も相手にする大型クラブより顔の見える距離感が好き。映画は、おじさんDJのチャーミングな生きざまを、島に息づく多彩な、しかし時代の波の中で変容もする文化とともに、息をのむような映像と身も心も委ねてしまいたくなるリズムで描き出す。

◎「バレアリック・ビート」「バレアリック・ミュージック」について(Wikipediaより)
「バレアリック・ビート」と呼ばれる音楽は、イビサのナイトクラブ、アムネシアの専属アルゼンチン人DJアルフレッドが広めたので、彼が「バレアリック・ビートの父」として認められている。それは、イギリスのインディーズ、ウッドゥントップスの催眠的なグルーヴやウォーターボーイズの神秘的なロック、初期のハウス、ユーロポップ、それにピーター・ガブリエルやクリス・レアといった個性派を組み合わせたダンスミュージック・ミックスのスタイルだ。なお同時発生的にイビサの他のクラブ、パチャやクーでも同様の音楽が演奏されていた。
しかし、バレアリック・ビートを一気にポピュラーにしたのは、トレヴァー・ファング、ダニー・ランプリング、ポール・オークンフォールドといったイギリスのDJたちだ。ファングが「バレアリック・ビート」という言葉の生みの親ということになっている。1987年、オークンフォールド、ファング、イアン・セントポールはイビサで休暇を過ごした後ロンドンに戻り、ファン・ハウスというバレアリック・スタイルのナイトクラブの設立しようとしたがうまくいかず、 再びイビサに戻ったオークンフォールドは別荘を借り、友人のDJたち、ダニー・ランプリング、ジョニー・ウォーカー、ニッキー・ホロウェイなどを招く。夏が終わりロンドンに戻ったオークンフォールドは、サウスロンドンのプロジェクト・クラブと呼ばれるナイトクラブでバレアリック・スタイルを再導入したところ、クラブはイビサを訪れたことがあり、バレアリックに親しみを感じている人たちで大盛況となる。パーティドラッグ、エクスタシーのブーム、明るい色のだぶだぶの服という新しいファッションで盛り上がるイギリスのレイヴシーンで、これらのDJたちがバレアリックのサブカルチャーを大いに広めた。1988年、オークンフォードはバレアリック・ビートの2番目のアウトレット、スペクトラムと呼ばれる月曜夜のイベントを開始する。これは、バレアリックのコンセプトをより多くの聴衆に広めたことで知られている。
アメリカでは、1988年、イビサのカフェ・デル・マールの専属DJホセ・パディーヤによってバレアリックが注目を浴びることになる。また、サリナスビーチのレストラン、サ・トリンサのイギリス人DJ・プロデユーサー、ジョン・サ・トリンサは、彼のスタイルを「バレアリック・ミュージック」と定義づけている。

◎ジョン・サ・トリンサの音楽を聴くには
全世界にリスナーを抱えるイビサの歴史あるラジオ番組「イビサ・ソニカ」で、ジョンは長年「Family Affair」という番組を続けていた。現在はサウンドクラウドといった音楽アプリで彼のミックスが格納され、1990年代のレアな音源、2000年代前半イビサの音楽シーンが最盛期だった頃、そして現在2021年に作られた過去とは被らない新しいミックスなどを聴くことができる。ジョンの音楽で、部屋にいながらもいつでも世界旅行をしているような体験ができる。
soundcloud.com/jon-sa-trinxa

『太陽と踊らせて』
[2020年/日本/英語・スペイン語・日本語・フランス語/71分]
製作・監督:リリー・リナエ
出演:
ジョン・サ・トリンサ、ケニス・バーガー、セシリア・サイモン、クリスチャン・アストラ、デヴィッド・モス、イレーネ・モントロ・ギャレコ、ペペ、ベランジ、クリス・ココ、ヒデヨ・ブラックムーン、ユウキ・ヒラタ
字幕:リリー・リナエ
配給:オンリー・ハーツ
後援:スペイン大使館/インスティトゥト・セルバンテス東京/スペイン政府観光局
© Pure in the Moon

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