シュシュシュの娘

過去の上映作品
[上映日程]8/21~9/10(休映:8/23、30、9/6)
*8月27日(金)19時の回の上映後、入江悠監督により舞台挨拶があります。

“ 息をひそめて生きています。でも、今日からは、”

わたしの名前は未宇(みう)。
タンタンと日課のダンスをして、職場の市役所へ向かう。
しずかな公園で、ちくわの入ったお弁当を食べるのが好き。
にくみ合うのとかはイヤだけど、やがて街に吹き荒れる不穏な風。
ンんん──? 
じいちゃん、家族の秘密って?
やってみるよ、それが愛する人のためになるのなら。

[解説]
「まだ、ひとつだけ、できることがある」2020年、コロナ禍で全国のミニシアターが苦境に立たされた。映画の撮影現場もストップし、多くのスタッフや俳優が路頭に迷った。
そんななか、ひとりの映画監督が立ちあがった。「だったら、自主映画をやればいい。完成させて全国のミニシアターを回ろう」
今もっともアツい映画監督、入江悠。『22年目の告白~私が殺人犯です~』『AI崩壊』など最近はメジャー映画で知られる。立ちあげたのが、『SRサイタマノラッパー』シリーズ以来10年ぶりとなる自主映画、『シュシュシュの娘』。
入江は3つの夢を掲げた。
・仕事を失ったスタッフ、俳優と、商業映画では製作しえない映画を作ること。
・未来を担う若い学生達と、あらたな日本映画の作り方を模索すること。
・苦境にある全国各地のミニシアターで公開すること。
本作は監督みずから出資し、その夢に賛同したクラウドファンディングの支援金のみで製作。スタッフ・キャストも、監督自身がSNSで募集した。2500名を超える応募のなかから、3次選考までを経て、福田沙紀、吉岡睦雄、根矢涼香ら出演キャストが選ばれた。スタッフには、NYで活動していたがコロナ禍で帰国できなくなった石垣求(撮影)や仕事を失った者たち、大学が休校になり行き場を失った大学生らがつどった。
「今年作られる映画・ドラマの中でもっとも食事が充実した撮影にしよう。食事と休息をしっかりとって、コロナに負けない現場へ」入江のかけ声のもと、『シュシュシュの娘』は「CMの撮影よりも食事が豪華」(撮影助手)という近年では珍しい自主映画の現場になった。
未曾有のウイルスと自粛の風潮のなか、まったく新しい映画がいま誕生。世の中は息苦しく、もやもやした空気が立ちこめている。本作の主人公・鴉丸未宇もそんな街に生きている。移民排斥、改ざん、不寛容。日本のメジャー映画はこれらの問題から目を背けて久しい。でも、まだやれることがある──2020年の夏に集結した映画人と学生たちの思いをのせて、いま『シュシュシュの娘』が世に放たれる。華麗に軽やかに、蝶のように舞い、蜂のように刺すよ。さあ、全国のミニシアターへ。

[あらすじ]
「わたしって、そうだったの?」福谷市のはずれで暮らす鴉丸未宇、25才。朝の日課のダンスと、ちくわをつめたお昼の弁当が大好物。ひとり身で祖父・吾郎の介護をしている。市役所に勤めているが孤立している。ただひとり寄り添ってくれるのは、同じ役所につとめる先輩の間野幸次だけ。そんなある日、間野が市役所の屋上から自殺した。理不尽な「文書改ざん」を命じられた末の死だった。悲嘆に暮れて帰宅した未宇に、吾郎は衝撃のミッションをつげる。「仇をとるため、改ざん指示のデータを奪え」愛する間野の仇をとるため、暗雲立ちこめる市政に一矢報いるため、未宇はひそかに立ち上がる。武器は、「普段から目立たないこと」。今までは、息をひそめて生きてきました。でも、今日からは。だが、その前には思わぬ壁が次々と立ちはだかって──

『シュシュシュの娘』
[2021年/日本/スタンダード/5.1Ch(モノラル・センターのみ)/88分]
出演:福田沙紀、吉岡睦雄、根矢涼香、宇野祥平、井浦新
製作・脚本・監督・編集:入江悠
制作プロダクション・配給:コギトワークス
企画・製作:BROCCO FILMS

◎公式サイト:shushushu-movie.com

◎8月27日(金)19時の回の上映後、入江悠監督により舞台挨拶があります。

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