柄本家のゴドー

過去の上映作品
[上映日程]6/8~28(休館:6/9~10、17、24)

“不条理劇の傑作に挑む柄本家の親子3人をカメラが追った!”

[解説]
人気俳優として映画、テレビで活躍する一方で、演劇ユニット“ET×2”を組む柄本佑・時生兄弟。2014年、ふたりはサミュエル・ベケットによる不条理劇「ゴドーを待ちながら」の公演に挑んだ。2017年、父親の名優・柄本明を演出に迎えて、再びゴドーに挑戦する。その稽古場にドキュメンタリーカメラの名手・山崎裕が立ち会った。演出家と俳優の関係を超え、父から子への芸の伝承の厳しさと暖かさに溢れる時間の記録である。

戯曲「ゴドーを待ちながら」
作/サミュエル・ベケット
Waiting for Godot / Samuel Beckett

アイルランド出身の劇作家サミュエル・ベケットによる戯曲。 野原に立つ一本の木のそばで、エストラゴンとウラジミールという2人の老浮浪者が、やって来る筈のゴドーという人物をひたすら待ち続けながら、とりとめのない会話を繰り替えしている。退屈だと言われたり、難解だと言われたりしながら、傑作として賞賛もされ、不条理演劇の代表作として演劇史にその名を残し、多くの劇作家たちに強い影響を与えた。1952年に出版され、その翌年パリで初演。

『柄本家のゴドー』
[2017年/日本/カラー/63分]
出演: 柄本明、柄本佑、柄本時生、劇団東京乾電池のみなさん
撮影・演出: 山崎裕
構成・編集: 五十嵐久美子
撮影助手: 小寺安貴
カラコレ: 織山臨太郎
選曲: 増子彰
プロデューサー: 橋本佳子/山崎裕
制作: 104 co ltd
配給: ドキュメンタリージャパン
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【本作演出:山崎 裕(やまざき ゆたか)】
1940年生まれ。東京都出身。1963年日本大学芸術学部映画学科卒業。以後、フリーランスカメラマンとして、記録映画、CM、テレビドキュメンタリー、テレビドラマ等で活躍。1988年、是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』で劇場用映画の撮影を担当、以降、映画、ドキュメンタリー、コマーシャル、ドラマ と幅広く仕事を続けている。2010年、劇場映画『Torsoトルソ』を自らが監督、撮影を行う。

◉公式サイト: emotoke-no-godot.com
◉特別鑑賞料金: 一般 ¥1,500 *お得な前売鑑賞券を ¥1,200で販売致します(~6/7まで)


◎著名人コメント

柄本明さんが息子たちの目の前で自らやってみせる芝居を見ながら、異才の人 の元に生まれることもまた残酷だなあ、 と思った。それでも息子たちは屈託もなく楽しげで、父もまた、愛おしそうに彼らを眺めている。
──西川美和(映画監督)

柄本さんの禅問答のような、宇宙のような、森羅万象のような…。 言葉や存在の有り様に戦き、その引力に否応無く惹かれます。
──李相日(映画監督)

一般の方々はなかなか観ることのない風景。僕にとってはほとんど日常のような風景。しかし、見慣れたはずの芝居の稽古風景でありながら、何かが少し違う。俳優柄本明が、ふたりの息子の演じる芝居の稽古をつけながら、クック、クックと肩をゆらして笑っている。実に楽しそうに。まわりのスタッフたちも同じように笑う。そして柄本明は、急に顔に両手の握りこぶしをあてて、真顔で睨む。まわりのスタッフたちも同じように難しい顔をする。インタビューに答えて、「ちょっとみっともないことかなと思うわけですよ、世間体にはね」などと言ってまた肩をゆする。やっぱり柄本明は、なかなか変で素敵に面白い。こんなオヤジの息子は大変だ。二人掛かりで立ち向かおうと、必死だね。
──串田和美(俳優・演出家)

『ゴドーを待ちながら』は、その時代の潜在的不安や希求が表れてくる作品だが、『柄本家のゴドー』は、まさに平成のぼんやりとした不安が醸し出されている。
──石橋蓮司(俳優)

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