[INTRODUCTION]
海と山に囲まれた古都・鎌倉。2011年、このまちを「脱原発パレード」で歩いた女性たちが「イマジン盆踊り部」を結成した。彼女たちは、日々の生活の中で浮かび上がってくる思いを唄にして踊り始める。お酒や味噌、パンづくりから生まれた「発酵盆唄」。海水を汲み、薪で火を炊いて塩をつくる「塩炊きまつり」。やがて、風変わりな唄と踊りが人びとをつなげ、「平和」の輪を描いてゆく。この映画は、鎌倉や葉山での「生活」を描きながら、個性溢れるパン屋や酒蔵も取材。人間以外の存在にも耳をすます。微生物たちの「発酵」の世界や太陽系の惑星の動きが交差する。混沌と優しさの中で、何が見つかるだろうか。監督は、野宿者や原発事故による被災者の取材を行う一方で、野外レイヴや美術館等で映像作品を発表してきた平野隆章。映画音楽には、テクノ・アンビエントシーンの総本山とも言われるドイツの「Kompakt」レーベルから作品をリリースするpass into silenceが参加。東日本大震災・原発事故から11年。あの時に生まれたものは、今も確かに続いている。音楽やアート、ジャーナリズムなど異なるジャンルが映画の中に入り込んだ鎌倉発「発酵」ドキュメンタリー!